■用語説明
【財産】
・不動産:土地・家屋建物・農地・山林など
・不動産上の権利:借地権・定期借地権・地上権など
・金融資産:預貯金・有価証券(株・債権・投資信託・小切手など)
・ほか動産:自動車・家財・貴金属・美術品など
・ほか権利:ゴルフ会員権・保証金・貸出し金・生命保険金・退職金など将来得られる権利
・知的財産権:特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権など
【負債】
・債務:借金・手形・買掛金・未払金など
・保証債務:連帯保証・共同保証・損害賠償責任など
・税金:公租・公課など
・その他:賃貸料・家賃など
【法定相続人・比率(①②③の順)】
①基本(配偶者と子)~ 配偶者:1/2、子:1/2を子数で等分
※既に死亡している子に子(孫)がいる場合は、孫に代襲相続される(子分をさらに孫数で等分)
②子なし(配偶者と父母)~ 配偶者:2/3、父母:1/3を等分
③子なし(配偶者と兄弟姉妹)~ 配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4を等分
※既に死亡している兄弟姉妹に子(甥姪)がいる場合は、甥姪に代襲相続される(兄弟姉妹分をさらに甥姪数で等分)
【注意】
・養子や、認知した子は法定相続人になるので必ず算入
・愛人や、直系卑属(子・孫)の配偶者は法定相続人ではないので、相続させたい場合は遺言が必要になる
【相続税率】
金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
0〜1000万円 | 10% | ー |
〜3000万円 | 15% | 50万 |
〜5000万円 | 20% | 200万 |
〜1億円 | 30% | 700万 |
〜2億円 | 40% | 1700万円 |
〜3億円 | 45% | 2700万円 |
〜6億円 | 50% | 4200万円 |
6億超 | 55% | 7200万円 |
【相続対策の基本】
◆基本:相続対策の基本は3つ
①遺産分割対策 ~ 争いなくスムーズな相続ができるか
②納税資金対策 ~ 相続発生から10ヶ月以内に現金納付が必要なのでその準備
③税金対策 ~ 法律で認められている適切な処理による相続財産の圧縮
◆順序(提唱する内容)
①自分自身が基礎知識を理解する ~ 知識が無いと、相談した専門家の都合の良い方法へ誘導されても分からない。
②財産・負債等を把握する ~ 自分自身で正確に把握しないと、遺族は自分以上に遥かに大きな負担がかかる。
③自分で方針を立てる(任せない) ~ 百人百様のプランがある中、自身で決断して進めるのが円満相続の秘訣。子や孫の代まで含めて考えることが重要。
④家族含め、意向を確認する ~ 子からは言い出しにくい。その不安が増幅し「争族」に発展するケースが非常に多い。
⑤ひとまずのプランを固める ~ 自分なりの基本プランを考え、それをもとに変更していくと芯がぶれない。
⑥常に状況に合わせ改良していく ~ 家族構成の変化や、子それぞれの経済状態や親族関係なども大きく影響するため、常に更新する。
⑦必要に応じて遺言を準備する
⑧家族関係を継続的に保つ方法を考え、計画的に実行し続ける。
◆注意点
★最初から専門家に絶対に任せない
★家族とは生前に定期的な交流をすることで、状況を可能な限りお互い把握する。
★遺留分・寄与分・特別受益についてはトラブルの元なので必ず意識する
★税金対策をどうするかは非常に様々。土地活用や金融商品など、どれもメリット・デメリットがあり、専門家・業者はデメリットはあまり説明しないため、思わぬ落とし穴に落ちる事例が非常に多いので要注意。
★特に業者の、収益不動産提案は最も注意が必要。対策のはずが大きな負債のみ残る場合も多くあり、自分自身でリスクを理解しないと非常に危険。必ず仕組みを理解しておきたい。
【参考:贈与税率(生前贈与等)】
※直系尊属から成年への贈与の場合金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
0〜200万円 | 10% | - |
〜400万円 | 15% | 10万 |
〜600万円 | 20% | 30万 |
〜1000万円 | 30% | 90万 |
〜1500万円 | 40% | 190万円 |
〜3000万円 | 45% | 265万円 |
〜4500万円 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
※直系尊属以外からの場合は税率が若干高くなります